雑念の棚卸し

自分で自分をメンテナンスするための日々の記録です

長く愛される老舗って

暴風雨の一日でした

今日は線状降水帯のせいで一日中暴風雨。大変な思いをされた方も多かったのではないでしょうか。雨による大きな被害がないとよいのですが。

私も今日は出社したので帰りはえらい目にあいました。傘をさすと強風で全く前に進めない状態になり仕方なく傘をささずに歩き、見事ずぶ濡れとなりました。しかし電車が止まったりせず何とか帰れたのでまだ幸運でした。

そんな雨のなか、用事があって会社帰りに鳩居堂に寄りました。

先日お香典袋を購入して店舗で表書きを書いていただいたものを取りに行ったのです。

本筋から逸れたところを気にする悪い癖

会社の同僚のご家族が亡くなり、私がお香典を取りまとめることになりました。偉い人+チームメンバーに有志を募り金額を決めて集金・・・とここまてはいいのですが、悩ましいのは筆で表書きの字を上手く書けないことです。(我ながら悩みが小さい)

自分の名前で渡すお香典なら、下手でも恥ずかしいのは自分だけなので別にいいやと自分で書いてしまうのですが、会社の部署名で出すときに私のヘタクソな字ではちょっと…と、またどうでもいいことを気にする私。

昔の会社には総務部や秘書室に達筆な方がいたりして、お願いすれば書いてもらえたりしたなぁ。(古き善き時代?だったのかな)

そういえば昔はデパートなんかで、のし紙や祝儀袋の表書きを商品購入すればさらっと書いていただけたように記憶していて(筆耕サービスというらしいです)、ふと今もお願いできるのだろうかと調べたところ、やはりやっているところは見つからず、あっても有料でした。もしかしたらHPには載せていないだけかもしれませんが。

有料でも仕方ない、値段によるけどできることならばお願いしたい!と思い更に調べたのですが、お預かりのうえ後日納品だったりして、うーむその場では書いてくれないのか…と諦めかけたところ、鳩居堂では無料でその場で書いてくれたという記事を誰かのブログでみつけました。鳩居堂のHPにはそのようなサービスの案内は見つからず、そのブログの記事も少し古いものだったので、今でもこの有難いサービスはあるのだろうか…と半信半疑。

420円の香典袋を買っただけのお客に対する無料のサービス

ダメ元だしと、鳩居堂のレジで香典袋を手におずおずと聞いてみたところ、あっさりと「はい、書けますよ」とのこと。ただ「申し訳ないのですが今書けるものがおらず、明日のお渡しになってしまうのですが…」とおっしゃいます。無料なのに何も申し訳ないことなんかないです!こちらこそこんなに遅い時間にお願いしてしまい申し訳ない!(行ったのが日曜夜の閉店1時間前)しかも数百円の香典袋を1枚買うだけの客ですよ!と心の中で思いつつ、ありがたくお願いすることにしました。

しかも私の選んだ香典袋と中身の金額をお伝えして、袋はこれくらい立派でもいいんでしょうか?聞いたところ、その金額でしたらもう少しシンプルな袋でも良いと思います、とアドバイスしてくださり安い方の袋を勧められました。

個人でお渡しする時と金額が違うので迷ってしまい、いい歳して私も常識がないなぁと恥ずかしくなりましたが、聞いてよかったです。

当然のことながら長く愛されている老舗というのはこういうところが素晴らしいのですね。

お客さまのちょっとしたニーズにも応えてくれてアドバイスもくれて、しかも安い方を勧めてくださるとは。これはもう儲けるためではなくて「日本の変わらぬ心、伝統文化を守り育てる」ために商売されているんだなと。(これは鳩居堂のHPの言葉)

私も普段の買い物はほぼネットショップ、値段だけで比べて安いところで買うのが当たり前だし、リアルのお買い物でも不祝儀袋なんかは100均で買うものという思考になっていていました。もちろんネットショップや100均は別の意味ですごく助かっていて企業努力もされている素晴らしいお店だなと思うのですが、久しぶりに老舗の底力みたいなのをこんな小さな買い物から感じて、何だか目が覚めました。

香典袋や祝儀袋などの目には見えない気持ちを表すためのものは「どうせ捨てられるのだから安いもので」という考えをやめて心を込めて選んだものを差し上げるべきなんだろうな、と思いました。そうなると表書きも下手なりに練習して自分の字で書くべきなのか・・・(笑)

日ペンの美子ちゃんって今もあるんでしょうか。